
COMPANY企業情報
2025年の年頭に当たり、謹んでご挨拶を申し上げます。
弊社をご愛顧いただいておりますお客様、ビジネスパートナーの皆様、地域の皆様には、平素より格別のご支援・ご協力を賜り、誠にありがとうございます。
社会全体の変化とソーシャルメディアの進化による新たな課題
~2024年振り返り&感謝~
1.岐路に立つ民主主義と世界秩序、社会分断の深刻化。
国内では政治的不安定と不確実性の高まり
昨年は、国内外で政治・経済が激動する1年となりました。世界では、先進国を含む多くの国で合意形成が困難となり、社会の分断が進行しています。国内においても、自民党一強体制が崩れ、政治の不安定さが増す中、社会全体が大きな変化を迎えています。
2.ソーシャルメディアの普及がもたらす新たな視点。物流ビジネスにも求められる対応
一方で、東京都や兵庫県の知事選を中心に、SNSを活用した若年層の政治参加が注目を集め、地方選挙でも若い世代の意識が高まる兆しが見えました。このような変化は、私たち物流事業者にも新しい視点と対応を求めています。
3.社員の努力と関係各所の皆様からのご支援に感謝
昨年は、コロナ禍の影響による経済停滞、ネット社会の情報過多による社会的絆の希薄化が顕著であり、結果として、経済や安全保障においても課題が浮き彫りになりました。それでもなお、この困難な状況を乗り越えられたのは、社員一人ひとりの努力と、ステークホルダーの皆様のご支援があってこその事と、心より感謝申し上げます。
成長社会から成熟社会へのパラダイムシフト
~2025年事業方針~
1.時代の潮目が変わる時。社会変化に応じたビジネスモデル・企業価値のアップデートが不可欠に
私たちが直面している「2024年問題」は、労働時間上限規制による人材不足の深刻化を伴い、物流業界の構造を大きく変えています。さらに、今年は「2025年問題」と呼ばれる超高齢化社会の加速も控えており、円安や資源高、物価高といった課題が、業界全体の基盤を揺るがしています。
我が国の経済・社会の構造が大きな分岐点を迎え、時代の潮目が変化しているのです。人口増大を前提とした今までの「成長社会」から、人口が減少し生き方も多様化した「成熟社会」に世の中は移り変わりました。
成熟社会へのシフトについて注目すべき4つの変化を、以下に具体的に挙げます。
① 成長社会から成熟社会へ
需要の増大を前提とする成長モデルから、多様な価値観を取り入れた成熟社会への移行。
② GDP(国内総生産)からGDW(国内総充実)へ
物質的な豊かさだけでなく、well-being指針としてのW、心の豊かさや生活満足度を重視する指標へのシフト。
③ 量的拡大から質的発展へ
労働力不足に対応するため、生産性向上と人的資本の質的向上が不可欠。
④ 株主資本主義からステークホルダー資本主義へ
短期的利益ではなく、長期的な社会貢献と持続可能性が企業価値を決定する要素に。
これらの課題に対応するためには、人口減少と縮小経済の現実を正面から受け止め、時代に即したビジネスモデルへ転換することが必要です。その中で、物流業界の役割は、単なる“モノを運ぶ”機能にとどまらず、地域社会や産業全体を支えるインフラとしての重要性を増しています。
また、前述した通り、今までの、人口が増え続け、足りないものを満たす「成長社会」時代から、人口が減り続ける「縮小社会」時代へと移り変わった日本では、多様化した個々の価値観をすり合わせ、認め合うことが必要となります。
『消費行動=幸せ』では無くなり、『幸せ』とは一人一人の価値観で創られる「成熟社会」に変わり、技術革新による生産性向上、女性やシニアの社会参画など人的資本の『質』の向上が求められてきます。私たちの掲げるパーパス“社員の成長が会社の成長に繋がる”がまさに求められる社会となってきます。
2.物流を中核にした社会貢献。地域課題と物流ビジネスを融合した「農業プロジェクト」
上記の課題への取組みの一環として、私たちは農業分野への参入を進めています。農業従事者の減少、耕作放棄地の増加、食料自給率の低下といった課題に対し、物流のノウハウを活用して解決を図ります。
具体的には、以下の3本柱でプロジェクトを推進していきます。
① 食料安全保障への貢献
地域での生産・消費を促進し、安定的な供給基盤を確保します。
② 地域活性化
過疎化が進む地域で、新しい雇用の場を創出します。
③ 物流課題の解消
2024年問題による分断の影響を軽減し、地域間の物流ネットワークを強化します。
このプロジェクトは、単なるビジネスではなく、地域社会への貢献を通じて、私たちの企業価値を高めるものです。これにより、物流を中心に据えた地域貢献型農業プロジェクトを推進し、社会課題の解決と企業価値の向上を両立させていきます。
つまり、『参入の目的』は、物流を中核において、流通のど真ん中で川上と川下を繋ぐ重要な役割を担う私たちシーアールグループが、行政、商社、流通を取り込み、過疎化の進む町の活性化も含んだ地域貢献型の農業プロジェクトで社会課題に取り組むことで、今から必ずやって来る食料不足に、しっかりと備えとして準備する。同時に多様性を含んだ雇用の場を創出・確保し、未来に貢献する事で『企業価値を上げること』です。
3.社会的価値×企業価値。不易と流行が一体となり永続を目指す
既存事業と新規事業の両立に取り組む「両利きの経営」や、“売り手よし、買い手よし、世間よし”に加えて“働き手よし、未来よし”の「五方よしの経営」といった概念を基盤に、私たちは現在の課題に取り組むだけでなく、将来の変化に備えた持続可能なモデルを構築します。普遍的なものと変化するものを調和させる「不易流行」の精神を持ち、経済的価値と社会的価値の両立を目指しながら、皆様に信頼いただける企業であり続けることをお約束します。
会社永続の為に、時代の情勢を見極め、兆しを先取り、目先と未来の両方に準備しながら『不易』と『流行』が一体となったような取り組みを行い、人口減少と縮小経済という、未曽有の危機に備え、持続的に社会の課題解決にチャレンジすることで、社会的価値が経済的な価値に繋がるような『選ばれ続ける社会貢献型企業グループ』を今年も社員一丸となり、目指して参ります。
古い皮を脱ぎ捨て、新しい自分へ成長する年に
~果敢に挑戦し未来を切り拓く~
2025年は「巳年」、特に「乙巳(きのとみ)」の年です。この年は、困難を乗り越え新たな段階に進む「変革」と「再生」を象徴すると言われています。これまでの努力が実を結び、更なる発展が期待される年です。
社員一人ひとりが変化を恐れず挑戦し続けることで、シーアールグループは未来への礎を築いてまいります。この新しい段階を皆様と共に迎え、さらなる成長と発展を遂げられるよう、引き続きご支援・ご厚情を賜りますようお願い申し上げます。
最後に、2025年が皆様にとって、疾走感に溢れ、勢いを増す素晴らしい一年でありますように心から祈念し、年頭のご挨拶とさせて頂きます。
2025年1月
シーアールグループ
代表取締役 大久保 泰造
